A「カタカタと連続する回転音がする場合は、ファンモーターが壊れている可能性が高いです」
カタカタ音が連続で、風量の強弱に比例して音が変化するようでしたら、ファンモーターの異常に間違いありません。ファンモーターを交換する方向で考えた方がよいでしょう。
ファンモーターを交換するだけなら、DIYでも簡単にできそうに思いますが、これが意外に面倒なんです。私の車はスズキのエブリィのバン(DA52V)で、チープな装備なので、比較的作業スペースが広い方ですが、付属装備がたくさんついている車ですと、ファンモーターへのアクセスまでが大変です。その上、場所が運転席の足元で、ダッシュボードの下にあるため、頭を突っ込んで作業することになります。狭い、見えない、とても作業のしにくい場所です。それでも自分で交換すれば部品代だけで済みますから、ぜひ一度チャレンジしてみてください!
【必要部品】
ファンモーターAssy 純正部品番号: 74150-76G00
【必要工具】
【取り外し方法】
エブリィ(DA52V)の場合、ファンモーターの場所は運転席の足元左側、ダッシュボードの中央下にあります。現物を見る前に、パーツカタログやサービスマニュアルなどで場所を確認しておくと探しやすいですね!丸いフタの出っ張りにコネクタが接続されており、周囲を3本のネジで固定されております。
分解はまず接続コネクタを外します。白い樹脂のコネクタに手前側だけ爪がついています。これを押し込みながら引き抜きます。
次にファンモーターを固定している3本のねじを外します。ネジはトルクス(T-25)と言う頭の形状です。マイナスドライバーなどむりやり別の工具で回すと、ネジの頭をつぶしてしまうことになりますので、トルクスドライバーを使ってください。ネジがどこについているかさえ見えないくらいですので、スマホの動画機能やカメラなどを差し入れて、ネジの場所を確認して作業すると確実です。
3本のネジを外しただけではファンモーターは外れません。ファンモーター本体を右に回転させてツバの嵌め合いを外す必要があります。左回しではありませんのでご注意ください。今まで外したことのない場合は、手に思いっきり力を入れないと回りません。いきなり外れた瞬間に手の甲をケガすることがありますので、手袋をして作業されることをオススメします。
【部品の入手】
今回はAmazonで販売されている社外(聞いたことない海外メーカー?)の互換新品ファンモーター(3500円程)を購入しました。純正部品はモノタロウで取扱終了となっており、互換品は1万3千円程します。
【ファンモーターの取り付け】
取り付けは逆の順序になります。一度外してしまえば、新品のファンモーターは力をそれほど入れなくてもスムーズに収まると思います。ネジの取り付けもさほど難しくありませんし、コネクターも簡単にはまります。社外品のため、風量が少し弱めで、動作音が大きめに感じますが、修理前の異音と比べれば我慢できるレベルです。
【故障したファンモーターの分解】
故障したファンモーターを少し分解して、中の状態を確認してみました。金属の爪が折り曲げられており、本来分解するようには作られていないようです。事前にエアーブローしましたが、真っ黒な粉が多量に出ました。車内のホコリとブラシの削れカスの両方だと思われます。ブラシは残量僅かでギリギリの状態、それよりひどかったのはコミュテータ(モーター回転子側の接触部)で大きく削れていました。これではブラシの残量があっても正常に通電しないだろうと思われるレベルです。ファンモーター交換に際して、国産の中古ファンモーターを購入することも考えましたが、このコミュテータの状態を見ると中古はちょっと考えられなくなります。
14万キロでたぶん初めて交換したファンモーターのコミュテータの摩耗状態です。この状態を見ると、迷わず新品交換するのがベストと思えます。ファンモーターから異音が出始めたら、動かなくなってしまう前に、ぜひ交換をお考えください。