A「キャブタイヤケーブルに圧着端子やファストン端子を取り付けて配線します」
このブログ記事は、YouTube動画の内容を補足しているものです。
今回は、日本ホイストの古い天井クレーンで一般的に使用されている、6点(動画内では8点)押釦ケーブルを加工する手順を紹介しています。
日本ホイストの古い(約15年以上前の)クレーンは、押釦ケーブルが本体制御箱内でコネクタ接続されています。ケーブルが断線したなどの理由で修理する場合は、本体からケーブル部分を容易に取り外すことができるため、作業が楽に行えます。あらかじめ新しい押釦ケーブルを作っておけば、そっくり入れ替えるだけで済みますから、高所作業の時間が短くなります。安全作業につながりますので、効率よく修理を済ませたいものです。
まず、問題のある押しボタンケーブルを取り外す際は、必ずクレーンの元電源を切ってください。取り外しは、ホイスト制御箱のコネクタ2個を外します。ケーブルにケーブルバランサが接続されている場合は、取り付けボルトを外します。最後に透明のパテントブッシュを留めている長ネジを緩めれば、押釦ケーブル一式が外せます。プラスドライバー、スパナとバイスクリッププライーがあれば作業できると思います。
【押釦ケーブルの加工】
キャブタイヤケーブルは、0.75SQ~1.25SQの7芯がよく使われています。標準揚程の6mですと、必要なキャブタイヤケーブルは取り回し分を含め7~8mとなります。動画では透明被覆の、芯線にロープが入った、クレーン専用押釦ケーブル(日本ホイスト向き)を使用しています。
他社の場合は、黒い被覆の柔軟耐震型ワイヤー付きケーブルが使われています。⇒ https://amzn.to/4aafKI5
押釦スイッチは新晃電機の8点押しボタン(6点押しボタンとほぼ同じ構成)です。入切のスイッチは押釦内の回路のみ開閉しています。
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制御箱側には、ファストンコネクタとパテントブッシュ類が付きます。古い物と交換する場合には、今付いているカプラとブッシュ類を再使用できます。パテントブッシュ(日本ホイスト製)を購入する際は、お近くの機械工具商へお問い合わせください。タブ端子、リセプタクル端子は電材店でも取り寄せできます。
キャブタイヤケーブルの被覆を剥くには、ケーブルストリッパーがあると簡単です。ケーブルの外径に対応したストリッパーを選ぶ必要があります。刃の出具合は、グリップ部のつまみで調整できます。
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押釦スイッチの配線には、ワイヤーストリッパーが便利です。私は下の写真のような、VESSELのストリッパーを愛用しています。パチンと弾き切る感触が好きです。
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絶縁被覆付き圧着端子を使って、スイッチユニットに配線する時には、専用の絶縁被覆付き端子用圧着工具を使用しています。よく使う1.25SQと2.0SQの2サイズに対応していて、自分が使いやすいよう先端部分の向きを変えています。
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(押釦スイッチの配線の注意点は)
・ケーブルがスッポ抜けないよう、結束バンドを巻くなど、押さえをしっかり固定します。
・各ユニットへの配線は、長過ぎず、短過ぎず、「北南西東下上切入」の順に配線し、上側の配線で下の配線を押さえるようにしてケースのすき間に収めます。
・上部の補助ケーブルアーマーやケーブルアーマーのすき間から水が浸入しないよう、ビニールテープ(又は自己融着テープ)でしっかり巻きます。
【ファストンコネクタ部の加工】
まずキャブタイヤケーブルにパテントブッシュ、ブッシング、ワッシャ金具を通します。適当な長さに被覆を剥いて、ワイヤーストリッパーで配線の先端をストリップします。各配線にオープンバレル用圧着工具でタブ端子をかしめます。ファストンコネクタにタブ端子を差し込みます。標準の接続配列は以下の写真のとおりです。
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コネクタ部の加工ができましたら、ホイスト本体の制御箱に接続します。コネクタは制御箱の穴を通るようになっています。透明のパテントブッシュとワッシャ金具を長ねじで制御箱に固定します。制御箱内のメスコネクタと、今回製作したオスコネクタを接続し、クレーンの電源を入れます。押釦スイッチの方向表示と、実際にクレーンが動く方向が合っているかを確認し、間違っていれば再度コネクタを外してタブ端子を入れ替えます。押釦スイッチ内の配線を入れ替えても問題ありません。作動方向が合いましたら、押釦ケーブルにケーブルバランサーを付けて、押釦スイッチが程よい長さで伸び縮みするよう調整します。
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